銃床製作とは?銃床製作の前にやるべきことやメリット/デメリット

銃床製作

銃床製作のオーダーメイドを依頼すると、強度に優れ、色味が濃くて美しいクルミ材として、イングリッシュ・ウォールナットやアメリカン・ウォールナットを適合する銃と、射手の体型や射撃フォーム、そして首の長さ(頬と肩の位置)などに合うように製作してくれます!

ただし、ここで注意しなくてはならないことが、『射手の体調は常に一定ではない』ということです。クルミ材から自分にあった銃床を制作してもらうとうことは、すべての位置が固定されているということで、筋や筋肉の状態/関節のズレ/体調を無視した状態で製作することになりかねません。

ここでは、銃床製作の依頼を検討中の人へ、概要と『アジャスタブル・ストック』を活用したステップなどを紹介します。

銃床製作とは?

銃床製作とは、散弾銃やライフル銃といった実銃のストック(銃床)部分を、その時の状態でガンスミス(銃職人)が製作してくれるサービスです。

銃砲所持許可を受けている、自分の銃のメーカーやモデルによって、対応するベース材(既製品)があれば比較的スムーズに製作してもうことができます。

基本的に、オリジナル銃床製作では、銃床部分が四角い状態の材木から、あなた自身の体格や利き腕、理想とする射撃のフォームなど多角的視点から、用途や好みに合わせた銃床を削り出してくれます。

銃床製作を依頼する目的

銃床製作を依頼する人の目的には、色々な背景があるでしょうが、大まかに分けると下記の3点が中心になってきます。

  1. クレー射撃の成績を上げたい
  2. 標準の銃床がどうしても身体に合わない
  3. しっくりくる自分だけの銃にしたい

せっかく気に入って購入した銃が、自分の手指/首の長さ/肩幅や可動域、その他、自身がパフォーマンスを発揮できるフォームにマッチしないと愛着が薄れてしまうものですよね。

特に、クレー射撃/スラッグ射撃/ライフル射撃をはじめとする、競技種目の選手を目指している人や現役射手からすれば、絶対に外すことができないのが『フィッティング』ではないでしょうか。

このように銃床を制作してもらうことは、まさにオンリーワンの銃を手に入れ、自分にベストマッチした散弾銃やライフル銃などに進化させることなのです。

銃床の素材(木材)について

銃床に用いる材木

  • イングリッシュ・ウォルナット(主産地:トルコ)
  • アメリカン・ウォルナット(主産地:北米大陸)

※ウォルナット=クルミ材

近年のトレンド

長年、人々により伐採されてきたクルミ材、特に樹齢100年を超えたイングリッシュ・ウォルナットは非常に高価です。しかも、銃床に使える部分ともなれば、ごく一部なので希少価値が高いことは木に詳しくなくても想像に容易いでしょう。

そのため、近年のトレンドとしては、アメリカン・ウォルナットを銃床製作に使うメーカーが主で、オーダーメイドの際もよほど充実した在庫を持っている店舗じゃないと、イングリッシュ・ウォルナットということは少ないのではないでしょうか。

銃床製作の前にやるべきこと

ここでは、人間の身体に関する原理原則から考察し、自分に合う銃床製作を依頼するための最善のステップと考えられる順序を紹介します。(編集部が考えるステップです。いろんな考えがあるので最後は自己判断で!)

STEP

射撃が上手な人にフォームを見てもらう!

銃床を製作してもらう前に、まずは、自分の身体や競技種目などに合うフォームをみつけましょう!そのためには、やはり、射撃が上手な人に教わるのが一番です。

STEP

射撃の腕を磨くために練習

あとは練習あるのみ!人の手の形や大きさは、成人後、体重の増減以外で大きく変化しないため、体調管理をしながら練習を続け、これ以上、今の銃床では成績が上がらないというところまで練習するのが良いでしょう。(銃床製作は安くないですし、作ったら固定ですから、慎重に準備することが大切になるでしょう。)

STEP

アジャスタブル・ストックを導入する!

セッティングが出るまで、射撃が上手な人についてもらい、成績をアップするために必要なフォームを決めましょう!

STEP

手指にしっくりくるのはどっち?

アジャスタブル・ストックは、グリップが固定なので、ノーマル銃床とアジャスタブル・ストックのどっちが自身の手に馴染むかも、ここまでのステップの間に確認しておきましょう。

STEP

銃床製作の相談に行く!

銃床製作の相談は、かかりつけの銃砲店や、銃床製作を行っているガンスミスのウェブサイトを通じてすることができます。

銃床製作の値段(費用相場)

材木代

20,000円~600,000円程度

加工代

100,000円程度~

その他

リコイルパッド、彫刻など、基本的な銃床ベース製作以外は別途費用を要します。

ポイント

実際に完成した銃床を取り付けて、練習をするまでには、通常30万円を降らない金額がかかると言われています。

銃床製作のメリット/デメリット

自分に合う銃床が手に入る [銃床製作のメリット 1/3]

銃床製作を依頼する最大のメリットは、やはり『自分に合う銃床』が手に入ることで、特にクレー射撃競技に夢中な人で金銭的余裕のある人にはおすすめ。

圧倒的な見栄えが手に入る [銃床製作のメリット 2/3]

銃床製作をすると、明らかに他の人が使っている銃とは異なる、異彩を放つデザインが手に入ります。そのため、射撃場では羨望の眼差しを受けることができますし、何より他の銃と観間違うようなことは減るでしょう。

射撃の成績に貢献してくれる [銃床製作のメリット 3/3]

実は、最大のメリットはコレ!高い費用をかけて銃床を製作してもらっても、射撃の成績につながらなくては意味がない訳で、多くの人は、クレー射撃や狩猟などで良い成績を納めるために銃床製作を依頼するものです。

身体の変化に対応しづらい [銃床製作のデメリット 1/3]

私達人間の身体は、常に一定のコンディションを保っている訳ではなく、常に変化しているので、固定式が多いオーダーメイド銃床が身体に合わなくなることがあります。特に体型の変化や、筋肉痛やコリなどベストではないときは、そのときの状態に合わせて変化させられる『アジャスタブル・ストック』のほうが向いているでしょう。

何度も調整する必要がある [銃床製作のデメリット 2/3]

銃床製作は、一回の合わせだけで完成するとは限らず、複数回、ガンスミスの元を訪れる必要が発生するというのは珍しい話ではありません。そのため、時間的自由が効かない人には、何度も調整する必要が発生した場合、会社を休むなどの苦労が発生することがデメリットとなります。

納期が長くなりがち [銃床製作のデメリット 3/3]

製作してくれる銃砲店やガンスミスのスケジュールによりますが、人気の製作者になると、スケジュールが埋まっていることも。そのため、銃床製作の依頼から納品まで、半年以上を要するという話も耳にします。ご利用は計画的に。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回の情報は、複数の銃砲店の方や射手の人との会話を通じ、編集部員がまとめ上げた内容を中心に、オンライン調査を挟んみつつ、スポーツ選手にカイロプラクティックを提供していた人物の意見を反映しています。

ただし、このあたりの話には、色々な考え方があります。

どれも正しいと言えるでしょう。

ここで、最もお伝えしたかったのは、低予算で無理して銃床を制作してもらうのではなく、しっかりとステップを踏んで、経験豊富な人のアドバイスを受けながら製作してもらって欲しいということです。

そして、いつまでも楽しみで、充実したガンライフを無理なくおくっていただく一助になりましたら幸いです。

<余談>私自身、いずれは銃床製作をしてもらうつもりです!