銃砲店からネット通販を通じて、新銃・中古銃(散弾銃/エアライフル、空気銃/ライフル銃)を購入するときの事前知識を解説。猟銃を通販で購入する場合、ネットショップ/電話やFAXによる依頼が一般的な銃砲業界において、初めての人が安心して利用するための必須知識をガイドします。
目次
銃砲店の通販とは?
銃砲店の通販で猟銃・実包(弾)を購入するには、下記、主に2つの方法があります。
- ネットショップ(EC)
- 電話/FAX等で依頼
猟銃(散弾銃/エアライフル、空気銃/ライフル銃/実包)をネット通販で購入する際、一般的なネットショップとは異なる点があります。それは、オンライン上でクレジット決済を仲介している、決済代行会社が定めている「規定」です。
猟銃や実包は、銃砲刀剣類所持等取締法が深く絡み、一般的な民生品とは一線を画す危険な物品であるため、日本国内の決済代行会社はオンラインクレジット決済の提供を好みません。そのため、猟銃・実包類の決済手段は、現金/代引き/銀振り決済がもっぱらです。
クレジット決済は、主な決済手段として定着していますが、銃砲店の通販を含むオンライン決済代行にもトランザクションフィーという決済代行手数料がかかり、価格や品目などで代行料が変わることから店側の負担となり導入できないケースもあります。
猟銃ネット通販の注意点
ここからは、私達のような民間人が、猟銃を銃砲店の通販で購入する際に知っておいたほうが安心できる注意点について参考になりそうな情報を選んで掲載します。普通のショッピングサイトを利用する感覚で使うと、後々、意に沿わない結果になることがあるので、最後までご確認いただくことを推奨します。
※通販経験が少ない人に対応。
誰でも買える訳では無い。
猟銃を購入できるのは、火薬を用いる銃なら教習射撃を修了した人か、空気銃なら許可申請を行う人が対象となり、両者とも実際に所持するためには、所轄警察署に銃(現品)を持参して許可を得る必要があります。
個人情報は心配ないか!?
銃砲店の通販を利用する際、あなたは、購入を検討中の銃砲店ウェブサイトが『SSLサーバー証明書(暗号化通信)』を利用契約しているかどうかを気にかけるべきです。簡単なチェック方法としては、サイトのURLが「https://」から始まるアドレスになっており、ブラウザのアドレスバーの🔒マークが正しく表示されているかどうかです。
もしも、「https://」ではなく、「http://」の銃砲店ウェブサイトでの購入を検討していたら、個人情報を保護するための暗号化通信による個人情報保護施策を打っていないサイトなので注意が必要です。
猟銃全般をネット販売で購入する際、銃砲所持許可証の番号はもちろん、住所・氏名・電話番号・メールアドレスのやり取りも行うことに鳴るので、ネットショップのカートにSSLサーバー証明書が適用されていない段階で、インターネット販売の知識が薄い銃砲店である可能性があるので慎重に検討するのが良いと思います。
クレジットカード決済は可能?
日本国内において、実銃のオンライン決済を代行している、クレジット決済代行会社は皆無です。特に、銃砲関連のオンライン決済については、事故や犯罪につながる可能性を考慮して慎重になっている決済代行会社の心情からして、今後も日本国内においてネットショップのカートを介して、猟銃をクレジット決済させられるようになる見込みは薄いでしょう。
そのため、実銃や実包といった、猟銃類(散弾銃/エアライフル、空気銃/ライフル銃)のネットショップ(カート上)でのクレジット決済が可能な銃砲店との取引は、後々、キャンセル扱いにされる可能性もあるので、一定のリスクヘッジをしながらできるだけ実店舗で取引することを推奨します。
銃砲店の通販は後決済が一般的!
銃砲店の通販で猟銃・実包(許可不要な商品は除く)を購入する場合、決済は後決済となるのが一般的です。理由は「許可関係の書類提出が必要」「猟銃のオンライン即時決済ができない」などです。
一見すると、不便で無駄な時間がかかるようにも感じますが実際は真逆です。
猟銃は決して安価ではなく、バイクや自動車を購入するような感覚で意思決定する必要のある価格帯のものです。それだけではなく、利用目的に応じて適切な猟銃のモデルや仕様が異なるため、専門知識が無い段階で購入した後に『この銃は自分には不向きだ…。』と不満が出ても後の祭りです。
でも安心してください。
他の業界と同様に、「手付金」「内金」といったシステムに対応している店舗が多いので、一旦、オンラインで問い合わせをしておいて、後日、現物を確認しに行ったり、遠方からの場合は電話等で相談に乗ってもらうことも可能です!
銃砲店は「ワンオペ」が普通!
銃砲店に電話すると、来店スケジュールを細かく聞かれることがありますが、誰にでもバンバン売れる商材ではないのでべらぼうに儲かっている業種ではありません。また、専門性も高いことから店主が一人で運営していることも多いので、訪問の際には洋服を購入するような感覚ではなく、不定休の小さなカフェにいく感覚で考えておくと良いでしょう♪
銃砲店から通販で買う前にガンカタログを見よう!
銃砲店から通販で買うという前提がブレない人は、まず、ガンカタログを良く読むことをおすすめします。本サイトにも、主流なメーカーやモデルのガンカタログを掲載していますが、銃砲店に行けば分厚いガンカタログが販売されていたり、書店で専門雑誌が売られていたりするので自身の都合に合う様式を選択してみてください。
その際、海外メーカーのサイトを見ればわかるじゃん!!という声も聞こえてきそうですが、実際のところ、海外モデルと日本国内で販売されている猟銃では、法規制などによって見た目は同じでも仕様が異なっていることが少なくありません。
銃砲店の通販を利用する場合でも、まずはガンカタログに目を通したり、周囲に所持許可保有者がいる人は誰かに相談するなど、目的・目標にマッチする猟銃選びを最優先にステップ・バイ・ステップで楽しみながら準備してください。
銃砲関連の知識が薄い人が、猟銃等講習会(初心者)を受ける前段階で、猟銃を先行手配しておくような購入予約スタイルは後悔につながる可能性があるため推奨できません。
銃砲店の通販で猟銃が安い理由
猟銃メーカー/モデル名などで、散弾銃やライフル銃、エアライフルなどを検索していると、他の銃砲店よりも安い金額で新銃を販売している店舗があることに気づくと思います。疑問に感じて、違いを知りたい人のために、編集部でキャッチしている情報を一覧で紹介します。
銃砲店のネットショップで、新銃が安く販売されている場合は、上記の3つ以外では「キャンペーン」などになります。
特に並行輸入品や別注品を扱っている銃砲店は、ある意味で創意工夫が上手な面があるので、ネット販売の仕組みを上手に構築していたりします。
主観的な噂には注意が必要!
ときどき、「猟銃のネット販売は危険」「アフターケアをしてくれない」といった話を自己体験談のように話す方がいらっしゃいます。しかし、それらは、他者から聞いた噂であることが多いのです。確かに、どこの業界にも「不誠実な業者」はいますが、正しく恐れておきつつ心配なら実店舗で購入するのがいいでしょう。
銃砲店の通販を使うメリット
メリット1「遠方の銃砲店から買える」
銃砲店の店舗数は、法制度の厳格化や少子高齢化などの影響による所持人口の減少によって、年々その数が少なくなっています。そのため、北海道/東京/大阪以外の府県では店舗数が少なく、欲しい猟銃が無い場合があります。そのような時、遠方の銃砲店から買えるのは大きなメリットです。
メリット2「銃砲店の強みを享受できる」
銃砲店には、「クレー射撃競技に強い店」「ライフル射撃に強い店」「エアライフル専門店」「銃猟に強い店」など、個々のお店によって異なる強みがあります。そのため、通販を利用する場合は、やりたいことが明確であれば、地元にない専門性を遠隔で取り入れることができます。
メリット3「店頭販売価格より安い」
銃砲店の通販には、オンライン価格を設定している店舗が増えています。それだけではなく、店舗が遠いことが少なくないので、通販らな旅費や交通費を支払う必要がない分、よほどの変なことが無い限りは、通販の方が店頭販売価格で購入するよりもトータルの出費額が安くなります。
銃砲店の通販を使うデメリット
デメリット1「クレジット決済ができない」
先述した通り、猟銃本体・実包の購入をするときは、ショッピングカートを介してのクレジット決済ができません。そのため、クレジット決済でポイントを貯めたい人や、現金や銀振りが面倒な人には手間を伴うデメリットがあります。(例外がある可能性はあります)
デメリット2「地元でメンテが受けられない」
通販で購入した猟銃を、地元の銃砲店へ持っていっても、購入店舗が異なるので保証対象にならないことがあります。その点が、自動車ディーラー等とは明確に異なりますので、通販で購入する場合は、どのようにしてメンテを受けられるのかや、自身の地元に通販元と接点がある銃砲店があれば、話を通してもらえるようにお願いする必要があるなどデメリットがあります。
デメリット3「店頭在庫が無い場合がある」
猟銃には高価なものが多く、店頭在庫を持たずに、モデルによって予約販売を行っている銃砲店があります。その場合、数ヶ月~年単位で待たされる可能性があるので、目安だけでも確認してからよく検討しましょう。待っている間に各種資格が切れてしまっては意味がありませんので、ご注意ください。
銃砲店の通販について「よくある質問」
銃砲店には、他の業界のような「大手」や「ショッピングモール」のような仕組みがなく、通販が可能かどうかは店舗ごとに対応が異なります。
ECサイトの運営に長けている銃砲店であれば、ネット通販で概ね完結することは物理的に可能であるといえますが、猟銃を所持するには所持許可が必要なので、ご自身も準備や申請を行う必要があるということは忘れないようにしましょう。
海外から猟銃を輸入する際には、通常の国内手続きだけではなく、税関や運輸企業など多方面とやり取りをして船着き場や空港まで現品を受け取りに行く必要があります。それだけではなく、国内で所持許可が出なかった場合、処分したり返送する必要が発生する場合もあるようなので素人には非推奨です。
はい、理論的には可能です。銃砲関連の法律などに精通している人は、自分の責任の範囲内で海外のネットオークションを利用する人もいます。決済後に、日本に発送できないとわかり、返金依頼にも応じてもらえないという話もあるのでよく勉強するか、プロに依頼することを推奨します。
まとめ
銃砲店から猟銃や実包を通販で購入する前に知っておいたほうがいいことについて解説してきました。そこには、どの業界にも共通する点や、猟銃関連だからこそ発生する注意点などがありましたね。
本記事では、最もお伝えしたかったことは、銃砲業界には銃砲業界の事情があり、それは他の業界なら気にかける必要すらないことなのですが、法律や社会通念上避けられない部分、業界の現状なども深く関係しているということです。
基本的には、趣味の世界でもあるので、店主さんたちは皆良い人が多いと言えます。
そのため、編集部では、知識が薄い状態の人が、初回の1丁から通販で購入するのではなく、実店舗で相談から始めることをおすすめします。
購入しておしまいではなく、購入した後が大切なので、トータルで末永く楽しめるガンライフをスタートする際の参考になりましたら幸いです。
猟銃の業界でも、高齢化は進んでいるので、ネットショップに精通した業者を探すほうが難しい現状があります。編集部のおすすめは、やはり猟銃の現物を確認するだけではなく、店主に詳細を聞けるよう『店舗を訪問することを推奨』します。