散弾銃とは?国内で人気のクレー射撃/狩猟用途のモデルをイッキ見

散弾銃にはどんなのがあるの?

散弾銃とは?

散弾銃は、読んで字の如く「弾丸が飛び散る」散弾実包を発射する銃で、海外では”ショットガン”の名で呼ばれています。日本国内では猟銃の区分に属し、ライフル銃や空気銃と並び実銃の中ではポピュラーな存在で、用途としては下記のような使い方をされています。

散弾銃の主な用途

  • クレー射撃(趣味/競技)
  • 狩猟(銃猟)
  • スラッグ射撃(趣味/競技)
  • 警察/海上保安庁/自衛隊の任務

散弾銃の所持について
日本では、民間人が実銃を所持することを禁じており、クレー射撃や狩猟の用途に供する形で散弾銃を所持する場合は、銃砲所持許可を取得する必要があります。

散弾銃の種類

散弾銃には主に6つの種類があり、用途や好みによって選択肢が広いので、下記、人気順に様式名称と簡単な特徴を紹介します。

  1. 上下二連銃
    銃身が上下に2本連なっている散弾銃で主な用途はクレー射撃競技。また、狩猟用ととしては鴨や小型の狩猟鳥獣がメイン用途ですが、チョークと呼ばれる銃口の絞りを調整する器具を用いることで鹿や猪などを狩ることも可能です。
  2. 単身自動式散弾銃
    単身自動式は、銃身1本で散弾を撃った際に発生するガス圧を利用して、次の弾を自動装填して連射できるタイプの散弾銃で主な用途は狩猟です。もちろん、散弾銃なのでクレー射撃もできますが、競技向きではなく猟期前の練習射撃に使うのがほとんどです。
  3. ボルトアクション式
    ボルトアクション式は、ライフル銃に似たタイプの散弾銃で、銃を構えた際に手元のレバーを引き戻すことで弾を装填・発射します。主な用途は、狩猟とスラッグ射撃で、命中精度を要求される用途に適しています。
  4. ポンプアクション式(スライド式)
    ポンプアクション式は、銃の先端下部にある先台という部分を手前に引いて戻すことで弾を装填・発射する散弾銃です。主な用途は狩猟やクレー射撃ですがマルチユースなモデルが多いという特徴があります。
  5. 水平二連銃
    水平二連銃は、銃身が左右に2本連なっている散弾銃で、主な用途は狩猟とクレー射撃です。ヨーロッパでカモを撃つ人に人気があり日本でも過去に広まりましたが、現在は、使っている人は減っています。
  6. レバーアクション式
    レバーアクション式は、引き金の直下に輪っかのような形をしたレバーがあり、それに手のひらを入れて上下動させることで装填・発射をする散弾銃です。非常に旧式ですが、根強い人気があり、レトロな風貌で手返しも良いことから狩猟に使う人がいます。

散弾銃の用途補足
散弾実包の中には、スラッグ弾とサボット弾と呼ばれる、弾頭が1発のものがあります。これらを用いることで、鹿・イノシシ・クマなどの猟に散弾銃を対応させることが可能です。

散弾銃の呼び名

散弾銃を選ぼうとすると、WEBサイトやカタログ等によって、その呼び名が異なることに戸惑いを感じることがあるので代表的な名称を紹介します。

  • トラップ銃
  • スキート銃
  • スポーティング銃
  • スラッグ銃
  • サボット銃

これらは全て散弾銃であることに変わりはありませんが、トラップ銃/スキート/スポーティングの3つはクレー射撃競技種目に最適化された銃の通称です。

そして、スラッグ・サボットの2つは、散弾銃の中でもスラッグ弾やサボット弾という、弾頭が単発の散弾実包を用いる狩猟やスラッグ射撃向けの銃の通称となります。

ハンター亮

細分化すると切りがないほど用語がありますが、目的や使用用途に合う散弾銃を効率的に見つけるために役立つ呼び名でもあるので、これを機に是非覚えてください。

人気の散弾銃:クレー射撃

趣味や選手としてクレー射撃に取り組む人は、メインの競技種目に最適化された上下二連銃を購入しており、人気のメーカーは『ベレッタ』『ペラッツィ』『ミロク』です。近年はトルコなどの銃を輸入販売する事業者もおりますが、射撃大会で射手が使っている上下二連銃の多くが先述したメーカーのモデルを使っているため人気の散弾銃として紹介します。

ベレッタ DT11

ベレッタ DT11
DT11の概要

DT11はトラップ銃/スポーティング銃/スキート銃など複数のバージョンがあり、ベレッタの上下二連銃では最高位モデルとして人気を博しています。

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ベレッタ 694

694の概要

694はトラップ銃/スキート銃/スポーティング銃など複数バージョンがあり、近年人気が高まっている『ハイリブ』モデルもある人気の上下二連銃です。

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ベレッタ 692 [BLACK Edition]

ベレッタ 692 ブラック・エディション
692の概要

694はトラップ銃/スポーティング銃があり各2種類が用意されています。マッドブラックのボディに金色のロゴマークが特徴的。

ミロク MS2000

ミロク MS2000 シリーズ
MS2000の概要

MS2000には、デラックス/プレミアム/標準など主に3グレードのラインナップがあり、トラップ専用銃/スキート専用銃/スポーツクレー競技専用銃など各種モデルが充実しています。(唯一の国内メーカー)

ペラッツィ HIGH TECH 5

ペラッツィ HIGH TECH 5
HIGH TECH 5の概要

HIGH TECH 5 は、トラップ銃の中でも憧れる人が多い上下二連式の散弾銃です。特徴的なハイリブと、頬付けの高さをセットしやすいアジャスタブルコムは、上位シューターに愛されているます。(HIGH TECH 3/5/8も人気です!)

ペラッツィ HIGH TECH 2020

ペラッツィ HIGH TECH 2020
HIGH TECH 2020の概要

HIGH TECH 2020 は、東京五輪の開催を記念して発表された銃で、随所に日本を感じさせる装飾があります。性能も高く、クレー射撃競技で良い成績を出したい人に人気があります。

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ペラッツィ MX8

ペラッツィ MX8
MX8の概要

MX8は、トラップ銃/スポーティング銃/スキート銃など細かいモデルラインナップがある散弾銃です。ペラッツィ自体が、クレー射撃専用銃製造のハンドメイドメーカーで、同モデルは長年作られている信頼と実績の上下二連銃として選ばれ続けています。

※.MXシリーズには数多くのモデルがあるので要チェックです。

クレー射撃散弾銃の要点
日本国内では、ベレッタ/ペラッツィ/ミロクの3強である状況がありますが、他のメーカーも魅力ある上下二連式を発売しています。ブランドに拘りすぎず、ご自身の目的と予算に合う銃について、競技の先輩や銃砲店に相談するようにしましょう!

人気の散弾銃:狩猟

狩猟に用いられる散弾銃には、単身自動銃/ボルトアクション式/ポンプアクション式の3種があります。特には単身自動銃が人気で、猟場での手返しの良さに加え、練習射撃としてスキート射撃やフィールド射撃をする際にも使いやすいよう様々なモデルが発売されています。

ベレッタ A400

ベレッタ A400
A400の概要

A400は、単身自動銃で薬室1発・弾倉2発の合計3発の散弾を連続して発射できる散弾銃の人気モデルで、「Xcel/Xplor/Lite/Xtreme/Xtreme Plus」などがあり仕様・カラーバリエーション共に多種多様で豊富なラインナップとなっています。

(替え銃身としてスラッグ銃身もあります。)

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レミントン 11-87

レミントン 11-87
11-87の概要

11-87は、先代1100の後継モデルで、単身自動式の散弾銃として人気です。スラッグ銃身を選択することができ、狩猟やスラッグ射撃などに向いていますが、スムースボア銃身もあるのでクレー射撃にも使うことができます。

※.レミントンV3/VERSAMAXも人気!

レミントン M/870

M/870の概要

M/870は、ポンプアクション式の散弾銃で、スラッグ銃身やスコープとセット販売されているモデルもあります。狩猟やスラッグ射撃などに用いられ人気を博しています。

※.モスバーグ500コンボと比較されます。

サベージ M220/212

サベージ 212/220
M220/212の概要

M220/212は、12番/20番の両モデルがあるボルトアクション式のサボット専用散弾銃で、命中精度に定評があります。日本国内では、クマ/イノシシ/シカなど大きめの獣を仕留めるハンターに愛用され、特に射撃距離が長くなりがちな北海道エリアでダントツの人気を誇っています。

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ブローニング A-bolt

ブローニング A-bolt
A-boltの概要

A-boltは、サボット弾専用のボルトアクション式散弾銃で、日本国内の正規品はミロク製作所がライセンス生産しています。将来的にライフル銃を所持したい人、射撃競技で成績に拘る射手から絶大な信頼を得ている、高精度の射撃が可能なハーフライフル銃として長年選ばれています。

※.ミロク MSS-20と比較検討されます。

ミロク MSS-20

ミロク MSS-20
MSS-20の概要

MSS-20は、ミロク製作所が造っている、ライフリングを持たない銃身でありながら高精度な射撃ができると定評のあるボルトアクション式散弾銃です。スラッグ弾を用いた射撃や狩猟に最適です。

※.ブローニング A-boltと比較検討されます。

その他の狩猟向け散弾銃

ここまで紹介した狩猟向け散弾銃以外にも、ベネリ、ハッサン、モスバーグなど様々なメーカーから数多くのモデルが発表されています。

銃砲店へ足を運ぶと、店頭在庫だけではなく、世の中にどのような散弾銃があって、新品で購入することができるものや、中古でもパーツの供給が終了していない散弾銃まで必要な情報が手に入ります。

銃は使い手の目的だけではなく、何よりも体格に合うかどうかという適合性にも気を配って選ぶ必要のある道具なので、人気じゃない散弾銃でも自分に向いてるものが見つかることがあるので「じっくり、冷静になって」決めてください。

散弾銃に関するまとめ

本記事では、はじめて散弾銃を検討する人を対象に、日本国内で入手できるモデルの中でも人気のものを中心に紹介してきました。その理由は、「散弾銃の多くが輸入品」「パーツがないと修理完了まで半年待ちということもざら」「人気モデルの場合、国内でパーツ在庫を見つけやすい」という3つです。

また、クレー射撃/スラッグ射撃/狩猟などを始める段階の入門者には、どの散弾銃を選べばよいかがわかりにくい状況があります。

編集部では、ネット上の情報だけではなく、実際に銃砲店を訪問して相談することを強くすすめます。安全第一で、目的に合う散弾銃を選ぶため、くれぐれも「かっこいいから」「よさそう」「有名メーカーだから」など安易な理由で決めず、選ぶことを楽しみながら素晴らしいガンライフをおくってください。