イタチの食べ物はコレ!食性から好物、食べる量まで徹底解説

イタチの食べ物

夜中に屋根裏から物音がする、庭の作物が荒らされている…もしかしてイタチの仕業?イタチが何を食べるのか、その食べ物(食性)を知ることは、被害を防ぐための第一歩です。

この記事では、イタチの「食べ物」に焦点を当て、彼らの「好物」や「食べる量」、季節による食性の変化まで徹底解説。イタチの「食性」から見えてくる、家への侵入を防ぐための具体的な対策のヒントをお伝えします。

イタチの食性の基本

雑食性だが肉食寄り

イタチは哺乳綱ネコ目(食肉目)イタチ科イタチ属に分類される動物で、その食性は雑食性ですが、特に肉類を好む傾向が強いのが特徴です。彼らは非常に代謝が良いため、毎日自身の体重の約40%もの食料を捕食する必要があると言われています。この旺盛な食欲が、彼らが常に餌を求めて活動し、時に人間の生活圏に現れる大きな理由の一つです。

主な獲物は、ネズミ、鳥、昆虫、カエルなど

イタチの主食は、主に以下のような小動物です。

  • ネズミ類:イタチの最も重要な獲物の一つです。かつてはネズミ駆除のために人間に導入された「益獣」としての歴史もあります。
  • 鳥類:小鳥やその卵、雛なども捕食します。
  • 両生類・爬虫類:カエルやトカゲなども食べます。
  • 昆虫類:様々な種類の昆虫も食料源となります。

イタチは非常に素早い動きと高い狩りの能力を持っており、これらの生きた獲物を捕らえることに長けています。

水辺の獲物

魚やザリガニも食べる

イタチは泳ぎが得意で、水辺での活動も活発です。指の間に小さな水かきがあるため、カワウソのように器用に泳ぎ、水中に潜って魚やザリガニなどの甲殻類を捕食することもあります。川沿いや水辺に生息するイタチにとって、これらの水生生物も重要な食料源となります。

植物質の食べ物

果物や野菜も口にする

肉食傾向が強いイタチですが、果物や野菜も口にすることが報告されています。特に、家庭菜園の作物や畑の野菜、果実類なども好んで食べることがあります。これは、野生の食料が不足する時期や、人里に食料が豊富な場合に顕著になります。

イタチの好物と食べる量

驚くべき食欲

イタチは、その小さな体からは想像できないほどの食欲を持っています。

1日に体重の約40%を食べる大食漢

イタチは代謝が非常に活発なため、毎日自身の体重の約40%に相当する量の食料を摂取する必要があります。例えば、雄イタチであれば1日にトカゲを9匹、雌イタチでも4匹を食べる計算になると言われるほどです。この大量のエネルギー摂取が、彼らの素早い動きや活動を支えています。

人間の食べ物にも興味津々

ソーセージや卵、パンも食べる

イタチは野生の獲物だけでなく、人間の生活圏にある食べ物にも興味を示します。最近では、ソーセージや卵、パンなども食べることが報告されています。家屋に侵入した場合、キッチンや食品庫の食料品を食い荒らしたり、ゴミ箱の生ゴミを漁ったりすることもあります。

季節によるイタチの食性変化

イタチの食性や活動は、季節によって変化します。特に冬は、彼らが人里に現れる大きな要因となります。

冬の食料不足と人里への侵入

多くの動物が冬眠して寒さと食料不足を乗り越える中、イタチは冬眠せずに活動を続ける動物です。そのため、寒い冬でも活動できる十分な体力を持ち、食料を得るために動き続ける必要があります。

しかし、冬は野生環境で果実や昆虫、小動物が減少するため、食料が不足する厳しい季節です。このため、イタチは人間の生活圏に近づき、住宅や商業施設に侵入して、暖かさと安定した食べ物、そして安全な隠れ場所を探す傾向が強まります。

秋の活動増加

冬に備える時期

冬を前にした秋の時期は、イタチが食物を確保するための活動が増加します。体を温めるための巣作りもこの時期に行われることがあります。

冬の活動

飢えをしのぐための行動

冬になると、寒さと食料の少なさからイタチの活動は全体的に減少しますが、飢えをしのぐために短時間だけ動くことがあります。日中の暖かい時間帯に活動する傾向が見られることもあります。家の中にイタチが入り込むと、冬の間も被害が続く可能性があります。

イタチの食性から見る被害と対策のヒント

イタチの食性を理解することは、彼らが引き起こす被害を予測し、効果的な対策を講じる上で非常に役立ちます。

農作物・家畜への被害

イタチは雑食性で、特に肉類を好むため、農作物だけでなく家畜にも被害をもたらすことがあります。

  • 農作物への被害
    家庭菜園の野菜や果物、畑の作物を食い荒らすことがあります。穴掘りが得意なため、地中で育つサツマイモなどの根菜類を掘り起こして食べることもあります。
  • 家畜への被害
    ニワトリやウズラなどの小型家禽、ウサギやハムスターなどの小動物が襲われる被害も報告されています。小柄ながらウサギやニワトリを捕食することもあります。

家屋内の食料品被害とゴミ荒らし

家屋に侵入したイタチは、食料を探してキッチンや食品庫を荒らします。食べ物の袋を破ったり、食材を散乱させたり、ゴミ箱を漁ったりすることが日常的に起こります。

食料管理による予防策

イタチを寄せ付けない環境づくり

イタチを家屋に寄せ付けないためには、彼らにとって魅力的な食料源を排除することが最も効果的な予防策の一つです。

  • 生ゴミの徹底管理
    外に出すゴミは、フタ付きのゴミ箱に密閉し、ゴミ収集日まで屋内で保管することが理想的です。ゴミ袋のまま放置すると、イタチだけでなくネズミやカラスも誘引してしまいます。
  • ペットフードの適切な管理
    庭やベランダでペットを飼っている場合、ペットフードの置きっぱなしは避けましょう。食べ終わったらすぐに片付け、密閉容器に入れて保存することが大切です。
  • 家庭菜園の管理
    完熟した果物や野菜は早めに収穫し、落ちたものや食べ残しは速やかに片付けましょう。
  • ネズミ対策の重要性
    イタチはネズミを捕食するため、ネズミがいると自然とイタチも寄ってきます。家の中や庭でネズミを見かけることが多い場合は、粘着シートや超音波装置などを使ってネズミ対策も同時に行うことが、イタチ対策にもつながります。

イタチの食性に関するその他の特徴

糞の臭いと内容物

食性が影響

イタチの糞は、その食性を反映しています。糞は細長く、水分が多く湿った見た目をしていますが、肉食傾向が強いため、小動物の毛や骨、昆虫の殻などが混じっていることがあります。

最も特徴的なのは、その強烈な悪臭です。これは、肉食性の食性による消化不完全なタンパク質や脂肪、そして自己防衛や縄張りを示すために肛門腺から分泌される臭い分泌液が混じるためです。この臭いは非常に強烈で、天井裏から居室まで広がるほどです。

外来種(チョウセンイタチ)の食性傾向

日本国内で被害をもたらすイタチの多くは外来種のチョウセンイタチであるとされています。チョウセンイタチはニホンイタチよりも体が大きく、繁殖力が強く、都市環境への適応力が高いという特性を持っています。食性も雑食性ですが、特に甘い果実を好む傾向があると言われています。

まとめ

イタチの「食べ物」や「食性」を深く理解することは、彼らがなぜ私たちの生活圏に現れ、どのような被害をもたらすのかを知る上で不可欠です。彼らの旺盛な食欲と雑食性、そして冬の食料不足が、家屋への侵入の大きな動機となります。

イタチによる被害を防ぐためには、単に追い出すだけでなく、彼らにとって魅力的な食料源を排除し、隠れ場所をなくすといった「環境整備」が最も効果的な予防策です。生ゴミやペットフードの適切な管理、庭の清掃、そしてネズミ対策を徹底することで、イタチを寄せ付けない環境を作ることができます。

もしイタチの侵入が疑われる場合は、本記事で解説した食性や痕跡(糞の形状や臭いなど)を参考に、早期にその存在を特定しましょう。そして、ご自身でできる対策を講じつつ、必要であれば専門家への相談も検討することで、安全かつ確実にイタチの問題を解決し、快適な生活を取り戻すことができるでしょう。