ガンロッカーは何がいい?購入前の基準と上手な設置方法

ガンロッカーの話

ガンロッカーは何がいい?<基準>

ガンロッカーには、使用についての明確な基準がありますので、下記をご確認の上、要件を満たした商品の中から猟銃の保管場所に適したものを選びましょう。

  • スチール板の厚み
    扉/側板/天板/底板など、ガンロッカーを構成する全てのスチール板の厚みが『1.0mm以上』となっていること。
  • 施錠方式
    扉は、上下に『かんぬき構造(穴に棒を突き刺して開かない構造のこと)』で、箱体に固定される構造であること。
  • 蝶板
    頑強な金属からなる蝶板で、容易に破壊されたり外せない仕組みになっていること。
  • ドアの錠
    鎌錠等、外部からの力によって容易に開場できない構造であること。
  • かけ忘れ防止装置
    錠には、鍵のかけ忘れに気づくことができる、防止機能を有すること。
  • 鍵違い120種類以上
    錠には、鍵違い120種類(通り)以上を有するものを採用すること。
  • 銃を固定する鎖と鍵
    庫内には、猟銃を固定することのできる鎖と錠(南京錠・120通り以上)を備えていること。

上記は、猟銃の所持許可を得るための、初心者講習会を受ける段階で配布される『猟銃取扱読本』にも記載されており、はじめてガンロッカーを選ぶ人の指標になっています。インターネット上のECサイトや、ショッピングモールで様々な種類のガンロッカーが販売されていますが、法制度の改正などによって要件が変更される場合もあるので、詳細は所轄警察署もしくは、銃砲店などの専門家に相談することを推奨します。

実績豊富なガンロッカー

編集部では、特定のガンロッカーを推奨してはいませんが、一般的に導入実績が豊富なのは『KSKロッカー』であることは既知の事実ではあります。同社の製品は、銃砲店や射撃場の他、経験の長いシューターやハンターにも選ばれています。

ガンロッカーの上手な設置方法

ガンロッカーの設置方法については、警視庁・道府県警、設置場所の検査を行う警察官の考え等ににより若干の違いがあるといわれています。ただし、警視庁のお膝元である、東京都では下記のように厳しくなっているので、設置のやり方に悩んでいる人は、計画を組んでから担当の警察官の人に『これならどうでしょうか?』と相談してみてください。

設置場所について

ガンロッカーの設置場所(常設地)は、住民票のある市区町村に在る自宅内にて保管するようになっています。(銃砲店や射撃場、その他の公安委員会が指定する施設を除く)

宅内においては、できる限り人目につかない設置場所を選び、自分以外の何人も鍵の在り処について知らない状況を保持できるよう努めることが大切です。

設置場所の例

  • 押入れ
  • クローゼット
  • 室内物置スペース
  • パントリー
ハンター亮

ガンロッカーの設置場所に求められることは、『隠せていること』の1点に尽きます。目的は防犯!誰にでも簡単に発見できる状態は危険ということです。

ガンロッカーを固定する

ガンロッカーの固定は、『簡単に持ち去ることができない状態』をつくることで、猟銃の盗難被害を最小限で食い止めるために必要な策です。ただし、住まいには「持ち家」「賃貸」など多様なケースがあるので、ここでは、ボルトオン方式と壁や床を傷つけない設置方法の2つを紹介します。

ボルトオン方式

  • 壁に固定する方法
    ガンロッカーの背面や側面にある穴、もしくは穴あけをして、室内の壁に対してボルトで固定することで持ち去りにくくする方法。
  • 床面に固定する方法
    ガンロッカーの下面にある穴、もしくは穴を開け、床に対してボルトで固定して直ちに持ちされない状態にする方法。

壁や床を傷つけない設置方法

  • 2×4角材と固定具で固定する方法
  • ベニヤ板等で外枠を作り固定する方法

狩りガール・久美

賃貸物件に済んでいる場合は、大家さんや不動産管理会社などに、計画を伝えて承認を得るようにする必要があります。扱いによっては危険なものを保管する訳なので、建物の所有者に無許可で猟銃を所持するようなことが無いようにしましょう。

文句のつけようが無い程の対策

ガンロッカーは地域などにより、審査要件が異なるようですが、共通している要件の中に『17kg以上の重し』を内部に置くという方法があります。これは、ガンロッカーを固定していれば必要ないとは言われるのですが、猟銃をガンロッカーごと盗難されたとき、少しでも発見までの時間稼ぎをするためには重くして運びにくくすることが重要ともとれます。

そのため、多めに見積もって『20kg以上の重し』をガンロッカー内に入れた上で、ガッチリ固定しておけば文句のつけようが無い程の対策になるのではないでしょうか。ちなみに編集部員は、出来ることは可能な限りするタイプなので、そのように対策しています。

まとめ

ガンロッカーは何がいい?という話からはじまり、上手な設置方法にいたるまで、実際に編集部が警察や銃砲店、諸先輩方にヒアリングをした結果を交えながら解説させていただきました。

猟銃を所持する過程でわかってくることとして、『国は個人に銃をもたせたくない』という至極当然の理論が見えてくるのですが、そのことを前提にガンロッカー選びや設置方法の検討を行うことが、安全に管理することへの近道になると考えます。

猟銃を保管するガンロッカーは、盗難だけではなく、火災/震災/水害などにも遭う可能性があります。銃砲所持者は、常に自分の管理下に置くことと、それが非常に安全な中で維持されることを最重視して検討されるよう願います。

それでは、素晴らしいガンライフをお過ごしください。