猟友会に入会することを考えている人は、狩猟免許の取得を検討している人と、すでに射撃を楽しんでいて狩猟に興味を持ち始めている人ではないでしょうか。今回は、猟友会って何する団体?入る意味あるの?入会するメリットとデメリットを知りたいといった要望に応えます。
目次
猟友会とは?
猟友会とは、ハンターが任意で入会、所属する狩猟者団体です。主な役割は、以下のような内容がありますが、入門者の場合は「先輩猟師から安全や技術について教わる」ことや、捕獲した獲物についての報告集約など一人では難しいことを団体で行っています。
▼猟友会の事業内容(一例)
- 射撃大会開催
- 狩猟免許試験事前講習会
- 放鳥及び標識類設置事業
- 狩猟事故防止指導事業
- 狩猟災害共済及びハンター保険事業
- 狩猟免状等所持証明発行事業
- 狩猟免許更新申請とりまとめ事業
- 狩猟者登録申請取りまとめ事業
- 会報発行事業
- 射撃場運営事業
- 各種射撃教習事業
- 会員への技能指導
- 会員への情報配信
- 自治体との有害獣駆除連携など
猟友会組織の順番
チェック!!
猟友会には、『大日本猟友会≫都道府県猟友会≫支部猟友会・地域猟友会』といった団体があり、大日本猟友会は政治や省庁とのパイプ役。都道府県猟友会は、都道府県内に在る支部猟友会を管轄し、警察や自治体との連携を取る役割をになっています。
支部猟友会・地域猟友会は、市区町村レベルの団体で、実際にハンターとして活動をする際に接する人たちは、この団体の会員さんということになります。
猟友会に入会する方法
皆で支え、皆で繋いでいこう!
猟友会に入るにはどうすればいいのか。大日本/都道府県/支部や地域など、くくりがわかりにくいので、どの組織にアプローチしたらいいのかが非常にわかりにくいことと思います。
入会方法1「支部・地域猟友会」
個人として猟友会に入会する場合、最も身近なのが「支部・地域猟友会」です。ここでポイントになってくるのは、入会する猟友会は、必ずしも住民票のある地域である必要がないということです。
あなた自身が、どの地域で狩猟者としてハンティングすることを望んでいるかによるということなので、複数地域の猟友会に所属することも可能ですが、そうするとお金がかかるのでおすすめできません。
そんなときこそ、主たる猟友会が、申請の代行をしてくれるので、複数の地域で狩猟をする場合は、支部・地域猟友会に所属してから他のエリアの申請を代行してもらいましょう!
例えば、本州/四国/九州/沖縄から北海道に遠征する場合、勝手に猟をすることは許されないので、所属猟友会を通じて北海道の猟友会に狩猟者登録をしましょう。
入会方法2「都道府県猟友会」
都道府県猟友会に個人が入会することはできませんが、あなたが住んでいる地域や、狩猟をしたいエリアを管轄する支部/地域猟友会が不明な場合は、全国に47法人がある都道府県猟友会に連絡をしてみてください。
支部/地域猟友会では、公式サイトを保有していないことが多く、発見自体が難しいので管轄団体である都道府県猟友会に問い合わせるのが最短ルートとなります。下記リンク先に、全都道府県の猟友会をリストアップしたので、ご活用ください。
入会方法3「大日本猟友会」
一般社団法人 大日本猟友会は、全国各地にある猟友会の最上位にある組織です。ただし、入会にあたっては、その問い合わせ先として、大日本猟友会を選択するのではなく、都道府県猟友会、もしくは支部/地域の猟友会に連絡するようにするのが一般的です。
▼理由
大日本猟友会は、政治や省庁、都道府県猟友会との連携がメインなので役割的に、入会についてのアナウンスもしていますが、他の団体のほうが近道になるからです。
猟友会「4つの会員区分」
猟友会の会員区分には、狩猟免許4区分と同じ区分けがされていますのでしておきましょう。
- 第一種銃猟
- 第二種銃猟
- わな猟
- あみ猟
これらは、全て猟のスタイルや危険度が異なるため、会員区分が分かれており、会費にも違いがあるので入会をご検討中の方のために後述します。
そしてここで、合わせて知ってほしいことは、入会すると所属先となる「支部猟友会・地域猟友会」に加入するわけですが、実は「都道府県猟友会」と「大日本猟友会」にも加入する必要があるということです。
猟友会の会費
会員区分/組織 | 大日本猟友会 | 都道府県猟友会 | 支部/地域猟友会 |
---|---|---|---|
第一種銃猟 | 4,800円 | 5,000円 | 4,000円~10,000円 |
第二種銃猟 | 3,300円 | 2,500円 | 4,000円~10,000円 |
わな猟 | 2,300円 | 5,000円 | 4,000円~10,000円 |
網猟 | 2,300円 | 5,000円 | 4,000円~10,000円 |
猟友会に入会すると、上の表に記載されている会費を納入することとなります。その際、大日本猟友会・都道府県猟友会・支部/地域猟友会の全てに加入することとなる点をご承知おきください。特に、地域の猟友会の中には、入会金を設定することで、新規会員向けの支援を維持している組織もあるので問い合わせてみましょう。
※大日本猟友会の会費には「共済掛金」が含まれています。
支払いについて
大日本猟友会の会費は、都道府県猟友会の会費を支払う際に、併せて納入する仕組みになっています。また、同時に2種会員区分へ申し込む場合、都道府県猟友会は、会費が高い区分の年会費に+1,500円の金額を納入する仕組みもあります。
他、協力金200円などを求められる場合もあります。
会費補足
支部/地域猟友会の年会費は、地域により異なりますので、今回はネット上の情報を参考に金額帯を4,000~10,000円と掲載しております。
猟友会の活動内容(直接関係のある支部/地域)
はじめて猟友会に入ろうかどうか検討している人へ、私達個人レベルで、直接関係のある団体である「支部猟友会/地域猟友会の活動内容」について代表的なものを紹介します。
▼代表的な活動
- 総会(事業・決算報告など)
- 射撃練習会
- 研修会
- 地域イベントへの出典など
- 共猟会(所属会員によるグループ猟)
- 懇親会
これらの活動は、所属団体によって異なると言われており、支部/地域によっては全く集まらないところもあるので、自分のリズムにあう団体を探して所属するという考え方もあります。
ただし、狩猟は動物を相手にするため、怪我や事故とは隣り合わせなので、初心者がYouTube動画を見様見真似で行うことにはリスクもあります。
自分だけの事故ならまだしも、罠や銃猟の道具を使うことによって他人を巻き込んでしまう可能性は排除できないので、事故を未然防止するためのノウハウを先輩から学ぶことは貴重な経験であり、末永く猟ができる日本であるために皆が通るべき道であると言えます。
猟友会では、事故を防ぐための講習会を積極的に開催していたりするので、まだ参加したことがない人は狩猟免許の事前講習会に参加するなどして猟友会メンバーと接点を持つことを推奨します。
射撃場も運営してたりする!
猟友会と云うと、狩りばかりしているように思うかもしれないですが、狩猟の中でも銃を使う「銃猟」を行う第一種銃猟免許保持者や第二種銃猟免許保持者は、射撃場で練習をしながら練度を向上させてフィールドに出ることから、猟友会によっては射撃場の運営に携わっていることがあります。
実はこんな集団もある!
①有害鳥獣駆除班
自治体などから依頼があった際、即応できるチームのことを「有害鳥獣駆除班」と呼んだりしています。猟友会に所属して、経験を積む中で、このような班への誘いがあったりするので、時間的自由の効く方は地域のために志願していただけますようお願い致します。
②猟隊(巻き狩り猟のグループ)
猟隊というのは、所属する支部/地域猟友会の先輩猟師などからスカウトされ、巻狩猟への参加が許された人の集まりです。よく動画などで、勢子長などという言葉を耳にしますが、猟犬と人海戦術(担当制)を駆使して猪や鹿を追い込んで一網打尽にするチームを指しています。
猟友会に入会するメリット
猟友会に入会するとどのようなメリットがあるのでしょうか。下記、大日本猟友会がメリットとして打ち出している内容を、わかりやすくまとめ直してみましたので参考にしてみてください。
メリット1「狩猟事故共済保険」
狩猟者としての登録を行う場合、鳥獣保護法第58条3項により、狩猟活動によって生じる損害賠償について、3,000万円以上の共済または損害賠償保険に加入しなければなりません。大日本猟友会なら対人補償限度額「4,000万円」の保険に加入できるので傷害保険加入義務を満たせます。
メリット2「面倒な手続きを代行」
狩猟免許をとれば、どこでも好きに狩りをしてよいわけではなく、都道府県毎に狩猟登録を申請する必要があり手続きが必要です。他にも、銃猟の場合は「銃砲所持許可の更新手続き」「狩猟用実包無許可譲受票」の発行などを猟友会が代行や支援してくれます。
メリット3「上達への最短ルート」
猟友会は、全国各地で狩猟者向けの講習会や研修会、啓蒙のための各種イベント等を開催しているので、会員には事前に声がかかり参加することができます。何よりも、ベテランハンターから猟場や狩りの手ほどきを受ける機会も豊富で、上達への最短ルートとして知られています。
メリット4「各種配布物を受け取れる」
猟友会に入会すると、大日本猟友会から「安全狩猟ベスト&キャップ」が無償配布され、それを身につけるとハンター感がぐっと増します。他にも、狩猟用標識を安値で購入できたり、都道府県猟友会からは「日猟会報」が届くので全体の情報を得ることができ、安心して狩猟の活動を続けることができます。
メリット5「狩りマップ」
猟友会に入会している人は、iOS/Android端末対応アプリ「狩りマップ」を使うことができ、GPSを使った野生動物の狩猟・目撃情報の記録や、過去の狩猟情報を手に入れることができるので、データを活用した狩りに役立てられます。(国や県の情報、チームの予定管理も可能です)
猟友会に入会するデメリット
猟友会について、ネット調査をしていると「クズ」「おかしい」「実態」というような関連キーワードが掲載されていて不安になりますよね。こういうワードを目にすると、大きなデメリットがあると疑いの目になってしまうのが普通だと思うので、猟友会に入会するデメリットをまとめてみました。
デメリット1「お金がかかる」
猟友会に入会するということは、毎年必ず会費を納める必要があり、所属する限りその支払いは続ける必要があります。その分、メリットが多いのも事実ですが、猟に出られなかった年はデメリットの方が大きく感じることもあります。
デメリット2「集まりが面倒くさい」
猟友会では、勉強になる教習や研修、各種イベントや懇親会などを開催している組織があります。そのため、所属団体によっては、まあまあの頻度で集まりが行われるため、必須の集い以外は参加しなくても大丈夫。しかし、集まり自体が嫌いな人にはデメリットになってしまうでしょう。
デメリット3「先輩後輩が嫌になる」
猟師の間には、先輩猟師・後輩猟師の序列がある団体もあります。それは、どんな人達が集まっている団体であるかによりますが、本質は「技術伝承」であり事故を起こさないために残っている習慣でもあります。ただし、神経質な人にはモチベーションを下げる、大きなハードルとなるデメリットも考えられますので、入会までに自分と合う人達なのかは確認しておきましょう。
デメリット4「上から目線で檄を飛ばされる」
猟友会では、事故防止に努めていますが、毎年何かしらの事故が発生しています。そのため、経験豊富なハンターが入門者に対して、檄を飛ばすような緊迫の場面もありえます。そのため、気の小さい人やプライドの高い人は、瞬間的にビックリしてしまう可能性もあります。
ただ、デメリットに感じず、安全のためと思って取り組むことをおすすめします。正直、入門者の「トンデモ行為」に対して、逆にびっくりしているのはベテランの方だったりします。
デメリット5「高齢化していて存亡の危機」
現在、日本全国の猟友会は、急速な高齢化による存亡の危機に立たされています。ただ、近年は「狩りガール」「ジビエ」といった急上昇ワードから見て取れるように、若者の参入が増えているのは事実です。それでも、IT化の遅れにより、新規参入者が情報を容易に獲得できないため、このままでは、継承が追いつく前に猟友会そのものが存続できるかがわかりません。
一見デメリットですが、この点については、当編集部を含め皆で啓蒙をしていきましょう!
まとめ
一通りご覧いただいて、いかがでしたか?私達、編集部自身も将来を担う存在であり、勉強を継続していますが、狩猟や射撃という分野の情報は尽く難解です。
特に猟友会は、高齢化が深刻で、WEBを活用した情報発信が困難な状況が続いていおり、入門者の人々には情報面でのハードルが高いというもったいない状況。
私達、シュートハント編集部は、そんな「狩猟やってみようかな~」という人たちに諦めてほしくないという思いから情報調査~配信を行っています。
猟友会に関しては、多方面の方々が、個々の立ち位置からものを申ししている側面がありますが、現実問題として害獣被害は減っていません。(リアルです)
そんな中、ジビエブーム到来!9割焼却処分されてしまっている、鹿や猪を、人々の手元に食肉として届けるには、衛生面でのハードルもありますが、まずは捕るハンターが不可欠です。ぜひ、地元の漁師さんに声を掛けて、教わりながら魅力を感じていただきたいと思います。
大日本猟友会や都道府県猟友会では、支部/地域猟友会経由で入会するように広報していますが、現実的には末端組織はホームページがない…。なので、実際は、猟をする予定の都道府県猟友会に目的のエリアの団体を紹介してもらうことになります。